特集 大腸内分泌細胞腫瘍─WHOの考え方と日本の考え方
Ⅵ.虫垂杯細胞カルチノイド(2)診断と治療
清水 誠治
1
,
小木曽 聖
1
,
富岡 秀夫
1
,
池田 京平
1
,
上島 浩一
1
,
横溝 千尋
1
,
高島 英隆
1
1JR 西日本大阪鉄道病院消化器内科
キーワード:
杯細胞カルチノイド
,
虫垂
,
内視鏡
,
X 線
,
診断
,
治療
Keyword:
杯細胞カルチノイド
,
虫垂
,
内視鏡
,
X 線
,
診断
,
治療
pp.81-85
発行日 2019年1月20日
Published Date 2019/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000301
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杯細胞カルチノイドは虫垂に好発するまれな腫瘍であり,リンパ節転移や腹膜播種をきたすことが多く,癌の特殊型と考えられている.腫瘍はおもに粘膜下層以深を浸潤性に発育し,粘膜面に露出することはまれである.急性腹症で発症し,虫垂炎の術前診断で手術されることが多い,虫垂腫瘍,腸閉塞がこれに続く.術前診断は難しく,ほとんどが手術後に診断されている.CT では虫垂腫大や造影効果を伴う回盲部の腸壁肥厚の所見がみられることが多い.大腸内視鏡や注腸X線が行われることは少なく,虫垂開口部の腫瘤や壁不整,盲腸の伸展不良や変形などの所見が記載されているが,内視鏡所見で異常がみられないこともある.また,生検組織診断は困難である.治療は外科的切除が基本であるが,進行した症例には大腸癌に準じた化学療法が行われる.
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