特集 内視鏡治療の偶発症と対策
Ⅹ.偶発症の対応におけるKnack and pitfall(1)高周波電源装置と偶発症
吉村 兼
1
,
豊永 高史
1
1神戸大学医学部附属病院光学医療診療部、臨床工学技士
キーワード:
電気手術器
,
血管シール法
,
オームの法則
,
ジュール熱
,
デューティサイクル
,
VIO300D
Keyword:
電気手術器
,
血管シール法
,
オームの法則
,
ジュール熱
,
デューティサイクル
,
VIO300D
pp.177-182
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000171
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内視鏡医の治療戦略の違いによって似て非なるデバイスが多数誕生してきており,電気的特性もまた似て非なるものである.これに伴い,内視鏡治療に求められる電気手術器(electrosurgical unit;ESU)の性能は,内視鏡医の飽くなき向上心に応えるかのように進歩を遂げてきている.残念ながら,最新のESU を導入するだけでは通電に伴う偶発症と決別することはできない.なぜなら,安全で質の高い内視鏡治療であるためには,ESU の性能を遺憾なく発揮させなければならない.そのためには,通電環境を意識した過不足のない通電時間において,精密な内視鏡の操作(デバイスを介したトラクションまたはスネアの絞扼操作)と出力波形が同調する必要があり,通電の研鑽によって研ぎ澄まされた通電直前の危機察知能力の向上が通電に伴う偶発症対策と考える.
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