特集 大腸ESD の工夫
[各論]
3 .トラクション(2)糸付きクリップ
朝山 直樹
1
,
永田 信二
1
,
鴫田 賢次郎
2
,
青山 大輝
1
,
福本 晃
2
,
向井 伸一
1
1広島市立安佐市民病院消化器内科
2広島市立安佐市民病院内視鏡内科
キーワード:
糸付きクリップ
,
トラクション
,
大腸ESD
Keyword:
糸付きクリップ
,
トラクション
,
大腸ESD
pp.255-262
発行日 2020年2月20日
Published Date 2020/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001076
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トラクションにより粘膜下層の良好な視野が得られれば,大腸ESD の手技は安全に行うことが可能となる.糸付きクリップの主な利点は,① 粘膜下層の視認性が良好になること,② 剝離面に適度なテンションがかかるため剝離時間の短縮が期待できること,③ 簡便であることである.剝離が進んでいない状況でクリップを用いて把持,牽引すると,筋層ごと挙上してしまう場合があるため,少し離れた状態で,切開ラインから粘膜下層を少しずつトリミングすることが重要である.当科では糸付きクリップを用いて55 例に大腸ESD を施行しており,術時間の平均54.3±37.2 分,内視鏡的完全一括切除率98.2%,組織学的完全一括切除率96.4%であった.
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