特集 内視鏡治療の偶発症と対策
Ⅳ.大腸EMR(cold polypectomy を含む)の偶発症の実態─ 文献のreview
樫田 博史
1
1近畿大学医学部消化器内科
キーワード:
後出血
,
穿孔
,
EMR
,
ホットバイオプシー
,
ポリペクトミー
,
コールドポリペクトミー
Keyword:
後出血
,
穿孔
,
EMR
,
ホットバイオプシー
,
ポリペクトミー
,
コールドポリペクトミー
pp.131-138
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000165
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大腸のホットバイオプシー(HFP),ポリペクトミー(HSP),EMR の偶発症について文献のreview を行った.HFP,HSP,EMR における後出血postproceduralbleeding(PPB)の頻度は,それぞれ0.29 ~ 0.38 %,0.92 ~1.5%,1.02~ 1.4%であるが,病変が大きいほうが高く,20 mm 以上では1.96~11%と報告されている.HFP,HSP,EMR における穿孔率は,それぞれ0.01 ~ 0.05%,0.02~ 0.05%,0.09 ~ 0.63%と報告され,20 mm以上でも1%弱である.cold polypectomy に関しては,術中出血(IPB)は1.77~ 9.13%とやや多めだが,PPB は通電する手技より低率の0~ 0.3%であり,穿孔は皆無であった.文献によって,前向きか後ろ向きか,対象病変径,偶発症の定義,頻度は患者当りか病変当りか,などに留意してデータを比較する必要がある.
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