特集 Cold polypectomyの課題
3.大腸におけるcold polypectomy(2)病理医からみたResect and Discardに対する見解
河内 洋
1,2
1がん研究会有明病院臨床病理センター病理部
2がん研究会有明病院がん研究所病理部
キーワード:
コールドポリペクトミー
,
リセクトアンドディスカード
,
病理
Keyword:
コールドポリペクトミー
,
リセクトアンドディスカード
,
病理
pp.36-40
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002057
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大腸小ポリープに対するcold polypectomyが日常的な手技となっている現在,“Resect and Discard”の概念が注目されている.Resect and Discardの利点として,「病理診断にかかる労力と費用の省略」が挙げられているが,病理医の立場からは,病理診断にかかる労力の軽減効果は少ないこと,また医療費削減についてはそもそも実状に即した診療報酬算定方法の見直しが先決と考えられることから労力・費用ともに削減効果のほどは大いに疑問である.また何より,われわれ病理医の負担軽減の名の下で,頻度が低いとはいえ追加治療を必要とする患者が見逃され,結果的に患者に不利益がもたらされることは容認しがたい.Resect and Discardにより生じるとされているメリットは,本邦の診療体系を踏まえたうえでどのような実質的な意義があるのか,多角的な検証が求められる.
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