TOPICS ─文献紹介〈腫瘍関連*〉
炎症に伴うmicroRNA 機能不全を一因とした大腸腫瘍発生の病態解明〔Review from ─ Gastroenterology 2017;152:631-643〕
吉川 剛史
1
,
大塚 基之
1
,
小池 和彦
1
1東京大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
炎症性発癌
,
大腸癌
,
microRNA
,
APOBEC3G
,
ROCK 阻害剤
Keyword:
炎症性発癌
,
大腸癌
,
microRNA
,
APOBEC3G
,
ROCK 阻害剤
pp.364-367
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000084
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慢性炎症は,さまざまな臓器における発癌の高危険因子として知られている.消化器系の臓器に限っても,慢性胃炎に続発する胃癌や,慢性肝炎に続発する肝癌,慢性的な大腸の炎症が引き起こされる潰瘍性大腸炎を背景に続発する大腸癌などは代表的なものであり,それぞれの臓器で,炎症がない場合に比べて腫瘍の発生頻度が明らかに高くなることが臨床的に経験されている.このような慢性炎症を背景にもつ発癌の分子メカニズムを解明することは,慢性炎症が存在する臓器での発癌を予防する方法を開発するうえで,きわめて重要と考えられる.
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