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書評「Review of Clinical Research in Gastroenterology」
岡部 治弥
1
1北里大学東病院
pp.331
発行日 1988年3月25日
Published Date 1988/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107968
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B5判サイズ,270頁ほどの,手頃な大きさの英文の単行本である.これは,1966年の発刊以来,二十数年続いた月刊誌「胃と腸」のいわば,エスプリを選出編集した初めての英文書であり,その目的は,この二十数年の歴史の中で培った消化管疾患の臨床的研究の成果を海外に紹介しようとするものである.長い間,計画されてはいたが漸くにして実現した待望の書である.日本のこの面における多くの優れた業績は,日本語で発表されているというハンディキャップのために海外の研究者によるほとんど亜流的研究の中にオリジナルの文献として紹介されることなく現在に至っており,口惜しさを禁じえなかった人は多いことと思うが,本書の出版は「胃と腸」の発刊に関与した1人としての喜びを禁じえない.
英文は英国のYork District Hospitalのconsultant surgeon, J.C. Craven氏の協力により,統一された流麗な,読みやすい文章となっている.まず編者による序文の冒頭は次のように記されている.“本書は月刊誌「胃と腸」から編纂され英文化された初めての本である.24編が選ばれているが,最近の「胃と腸」誌に掲載された論文を主とし,そのほかに,この書のために新たに纏められた論文数編を含んでいる……”と.
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