特集 肝硬変 ―最新の治療
2.合併症の治療と対策(4)臓器相関(肝肺相関)
厚川 正則
1
1日本医科大学付属病院消化器肝臓内科
キーワード:
肝肺症候群
,
門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症
,
低酸素血症
,
心エコー図検査
Keyword:
肝肺症候群
,
門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症
,
低酸素血症
,
心エコー図検査
pp.1173-1179
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003592
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肝硬変・門脈圧亢進症患者における臓器相関として,とくに肝肺相関が知られている.肝肺相関には肝肺症候群(HPS)と門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症(PoPH)がある.この二つの疾患は病因や病態,治療法において似て非なる疾患である.最も重要な症状は低酸素血症や労作時の息切れなどである.肝疾患を扱う消化器内科医においては,両疾患に対する治療の遅れ,それはすなわち診断の遅れであるが,患者のQOLを損なうだけでなく予後に影響するため,肝硬変・門脈圧亢進症患者においてはこの両疾患を念頭に診療する必要性が求められる.本稿ではHPSとPoPHの疾患概念や疫学,診断,治療を中心に解説する.

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