今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方
主要臓器障害を中心とした臓器相関
心臓病と臓器相関
太田 怜
1
1自衛隊中央病院・内科
pp.16-17
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205251
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心臓を中心とした臓器相関の概念
心臓を中心として,臓器相関を考えるとき,心臓病が他の臓器に影響を及ぼす場合と,他の臓器の疾患が心臓に影響を及ぼす場合とがある.また心臓と他の臓器との間にお互いの因果関係はないが,共通の原因で病変を生じた場合も,一種の臓器相関と考えてよいであろう.とすれば,心臓という臓器を犯しやすい全身病も臓器相関という眼でながめるべきであろう.
他のみかたで,「心臓と臓器相関」を分類すれば,心臓と近接臓器,心臓と遠隔臓器というようにも分けられる.例をあげれば,解離性大動脈瘤や大動脈炎症候群のときにみられる大動脈弁閉鎖不全症は,もっとも近接したもの同士の相関であり,心と脳は比較的遠隔のものである.心と肺とは,その中間といってよいであろう.近接したもの同士の相関は,臨床の場で,すぐそれと考えられるが,遠隔のものは,どちらかというと頭にうかびにくい.ここでは,心臓と臓器相関について,比較的見逃がされやすいものをつぎに述べたいと思う.
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