特集 ここまで進んだ肝硬変診療
4.肝硬変合併症の治療(4)肝硬変にみられる心肺系の異常―肝肺症候群,PoPH,肝硬変性心筋症
田中 雄紀
1
,
中西 裕之
1
,
黒崎 雅之
1
1武蔵野赤十字病院消化器科
キーワード:
肝硬変
,
門脈圧亢進症
,
肝肺症候群
,
門脈性肺高血圧症
,
肝硬変性心筋症
Keyword:
肝硬変
,
門脈圧亢進症
,
肝肺症候群
,
門脈性肺高血圧症
,
肝硬変性心筋症
pp.1309-1317
発行日 2023年8月20日
Published Date 2023/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002782
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肝硬変に伴うおもな心肺系の異常として,肝肺症候群(HPS),門脈性肺高血圧症(PoPH),肝硬変性心筋症(CCM)がある.HPSは慢性肝疾患,酸素化障害,肺内血管拡張を三徴とする症候群で,酸素投与など対症療法,肝移植が行われる.PoPHは,門脈圧亢進症に関連した肺動脈性肺高血圧症である.右心カテーテル検査で確定診断され,薬物治療や肝移植が奏功する.CCMは肝硬変患者の左室の反応性収縮力低下および拡張機能障害を特徴とする慢性心機能障害であり,肝移植が有効な可能性がある.これら病態を適切に診断・治療し,エビデンスの集積が望まれる.
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