特集 肝硬変 ―最新の治療
3.次世代治療,技術の可能性(1)肝線維化改善,再生療法 ―線維化治療剤の開発状況を踏まえて
阿部 寛幸
1
,
寺井 崇二
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野
キーワード:
肝硬変
,
肝線維化治療
,
再生療法
Keyword:
肝硬変
,
肝線維化治療
,
再生療法
pp.1181-1189
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003593
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慢性肝疾患および肝硬変に対する治療は,原疾患の除去と対症療法が中心であり,線維化や肝硬変による不可逆的な肝機能低下に対する有効な治療法は未だ確立されていない.近年,肝線維化の病態解明が進み,これを標的とする抗線維化治療や,肝再生を促す再生医療の研究が加速している.抗線維化治療では,線維化の進行に関与する肝星細胞の活性化や炎症性サイトカイン,酸化ストレスを制御する薬剤などが多数開発されている.再生療法においては,間葉系間質(幹)細胞(MSC)やMSC由来エクソソームの投与により,抗炎症・抗線維化作用と共に肝細胞再生を誘導する試みが注目されている.本稿では,肝線維化治療,再生療法について,現在研究開発が行われている治療方法の臨床試験および基礎研究について詳しく解説する.

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