特集 肝硬変 ―病態と診断の最新知見
2．疫学・予後（3）Acute-on-chronic liver failure（ACLF）―診断，予後，新規治療の可能性
持田 智
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
キーワード：
ACLF
,
重症型アルコール性肝炎
,
顆粒球吸着除去療法
Keyword:
ACLF
,
重症型アルコール性肝炎
,
顆粒球吸着除去療法
pp.744-749
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003498
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わが国では，Child-Pughスコアが5～9点の肝硬変患者が，飲酒，感染症，消化管出血などの急性増悪要因を契機に，その28日以内にプロトロンビン時間INR（PT-INR）が1.5以上かつ血清総ビリルビン値が5.0 mg/dl以上となった場合に，acute-on-chronic liver failure （ACLF）と診断している．厚生労働省研究班の全国調査では，ACLFおよびその関連病態の症例ともに，重症型アルコール性肝炎が多いことが明らかになった．肝移植の適応にならない症例が多いため，副腎皮質ステロイド，顆粒球吸着除去療法（GMA）などを用いた内科的集学的治療の確立が求められている．
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