特集 ここまで進んだ肝硬変診療
2.肝硬変の診断(1)Acute-on-chronic liver failure(ACLF)―その病態,診断基準と課題
持田 智
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
キーワード:
ACLF
,
肝硬変
,
アルコール性肝炎
,
多臓器不全
Keyword:
ACLF
,
肝硬変
,
アルコール性肝炎
,
多臓器不全
pp.1247-1252
発行日 2023年8月20日
Published Date 2023/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002774
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
わが国では,Child-Pugh scoreが5~9点の肝硬変症例で,急性増悪要因を契機に,28日以内にプロトロンビン時間INRが1.5以上かつ総ビリルビン濃度が5.0 mg/dl以上を示す肝障害をacute-on-chronic liver failure (ACLF)と診断し,肝,腎,脳,血液凝固系,循環器,呼吸器の臓器障害を基に重症度を4段階に分類している.厚生労働省研究班の全国調査によって,わが国のACLFおよびその関連病態の症例には,重症型アルコール性肝炎が多いことが明らかになった.その治療体系と予後予測法を確立するとともに,疾患概念を整理することが今後の課題になっている.
Copyright © 2023, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.