連載 「胃炎の京都分類」の使い方
第24回 ピロリ除菌は自己免疫性胃炎の自然史を変えるのか
小寺 徹
1
1宇治徳洲会病院健診センター
キーワード:
自己免疫性胃炎
,
H. pylori感染
,
H. pylori除菌
,
自然史
Keyword:
自己免疫性胃炎
,
H. pylori感染
,
H. pylori除菌
,
自然史
pp.1336-1342
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003206
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自己免疫性胃炎(AIG)は自己免疫的機序により胃底腺が破壊され,胃粘膜萎縮が進行する疾患であるが,Helicobacter pylori(H. pylori)感染合併例も少なくない.欧米ではH. pylori感染がAIGの原因の一つであるとされ,H. pylori感染合併例では除菌によりAIGも改善しうると考えられている.日本ではH. pylori感染により抑制されていたAIGが除菌後に進行することが指摘されているが,除菌後にAIGが改善した症例も報告されている.除菌がAIGの自然史に及ぼす影響については不明な点が多く,症例の集積と長期経過観察による検討が必要である.
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