特集 自己免疫性肝疾患とICI(免疫チェックポイント阻害薬)による肝障害
1.自己免疫性肝疾患(2)病態における腸内細菌の役割
中本 伸宏
1
1慶應義塾大学医学部内科学(消化器)
キーワード:
腸内細菌
,
腸肝相関
,
leaky gut
,
原発性胆汁性胆管炎
,
原発性硬化性胆管炎
Keyword:
腸内細菌
,
腸肝相関
,
leaky gut
,
原発性胆汁性胆管炎
,
原発性硬化性胆管炎
pp.1250-1257
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003194
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近年の腸内細菌の解析技術の進歩により,さまざまな肝胆道疾患において増加,または減少する腸内細菌が報告されている.腸管と肝臓は門脈を介して交通があり,腸内細菌の構成異常,腸管バリアの脆弱化,腸内細菌およびその代謝産物の腸管外へのbacterial translocation,宿主免疫の活性化などが腸肝軸を介した胆道疾患の発症,進展機序の一つとして報告されているが,未解明な点も多い.本稿において,臨床サンプル,モデル動物を用いた原発性硬化性胆管炎をはじめとする自己免疫性肝疾患における病態への腸内細菌の関与の報告,さらに腸内細菌の診断バイオマーカー,治療標的としての有用性について概説する.
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