特集 自己免疫性肝疾患とICI(免疫チェックポイント阻害薬)による肝障害
1.自己免疫性肝疾患(1)肝臓における自己免疫応答
下田 慎治
1
1関西医科大学消化器肝臓内科
キーワード:
免疫寛容
,
自己免疫性肝疾患
,
免疫関連有害事象
Keyword:
免疫寛容
,
自己免疫性肝疾患
,
免疫関連有害事象
pp.1245-1249
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003193
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肝臓は多くの抗原曝露を受け免疫寛容が誘導されやすい臓器として認識されている.この免疫寛容は末梢レベルで攻撃細胞の欠失やアナジー,無関心といった過程を踏んで成立する.近年,免疫細胞に抑制シグナルが入る機構をブロックすることで腫瘍免疫を作動させる免疫チェックポイント阻害薬が使用されるようになり,正常細胞まで攻撃を受ける免疫関連有害事象(irAE)もまれではないことが明らかになってきた.irAEは免疫チェックポイントを基点とした自己免疫反応であるため,肝臓における自己免疫応答の一部の説明になりうる.
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