特集 腸内細菌と臨床
1 .腸内細菌と消化器疾患(7)腸内細菌と肝疾患
冨田 謙吾
1
,
穂苅 量太
1
1防衛医科大学校内科学(消化器内科)
キーワード:
腸内細菌叢の乱れ
,
エンドトキシン血症
,
腸管透過性亢進
,
腸肝相関
Keyword:
腸内細菌叢の乱れ
,
エンドトキシン血症
,
腸管透過性亢進
,
腸肝相関
pp.1359-1364
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000103
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝臓は,門脈を介して腸管から直接の血流の供給を受ける臓器であり,肝臓病・肝臓癌の病態は,腸内細菌叢,細菌菌体成分,腸内細菌産生代謝物などの強い影響を受けることが近年明らかとなってきた.腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)は,腸管内のPAMPs(病原体関連分子パターン:pathogen‒associated molecular patterns),VOCs(揮発性有機化合物:volatileorganic compouns)をはじめとする種々の因子に大きな影響を与え,さらに腸管透過性亢進(leaky gut)をも促進し,門脈血流を介して肝臓病態を変化させる.腸内細菌叢をターゲットとした,プレバイオティクス,プロバイオティクス,抗生剤,糞便移植などの新たな治療法の確立が今後期待されるものである.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.