Japanese
English
特集 腸内細菌と免疫
腸内細菌と肝臓疾患
The role of gut microbiota in liver diseases
中本 伸宏
1
,
金井 隆典
1
Nobuhiro NAKAMOTO
1
,
Takanori KANAI
1
1慶應義塾大学医学部内科学(消化器)
キーワード:
腸内細菌
,
Th17細胞
,
原発性硬化性胆管炎(PSC)
Keyword:
腸内細菌
,
Th17細胞
,
原発性硬化性胆管炎(PSC)
pp.770-772
発行日 2021年8月28日
Published Date 2021/8/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27809770
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ヒトの消化管全体を構成する腸内細菌は500~1,000種類あり,その総数は100兆個にも及び,宿主の150倍以上の遺伝子が存在するといわれている.腸内細菌は宿主が摂取した栄養分を利用しながら生息し,他種細菌と宿主と相互に影響を及ぼしながら腸内にエコロジーを形成する.肝臓は門脈や胆管を介して腸管と直接的な交通があり,消化管由来の腸内細菌やその代謝産物に対して適切かつ迅速な免疫応答を誘導することにより,生体の1st barrierとして重要な役割を果たしている.一方で,上記に対する過剰な免疫応答は自己免疫疾患を惹起することから,腸内細菌の質的,および量的変化が種々の肝臓疾患の病態に寄与することが想像できる.本稿では肝臓疾患の病態への腸内細菌の関与について概説するとともに,自己免疫性肝胆疾患のひとつである原発性硬化性胆管炎(PSC)病態に寄与する腸内細菌についての筆者の最近の知見を紹介する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.