特集 自己免疫性肝疾患とICI(免疫チェックポイント阻害薬)による肝障害
1.自己免疫性肝疾患(3)自己免疫性肝炎(AIH)―急性発症例を中心に
阿部 雅則
1
1愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
キーワード:
自己免疫性肝炎
,
急性発症
,
診断
,
治療
Keyword:
自己免疫性肝炎
,
急性発症
,
診断
,
治療
pp.1258-1263
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003195
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自己免疫性肝炎(AIH)は,肝障害の成立と持続に自己免疫機序が関与する肝疾患である.典型例では自己抗体陽性や血清IgG上昇,肝組織所見などにより診断され,副腎皮質ステロイドを中心とした免疫抑制療法により予後良好の疾患である.以前から慢性肝炎を示す病態が特徴とされてきたが,最近では急性肝炎様に発症する症例も増加し,そのなかにはAIHとしての特徴が乏しい診断困難例や急性肝不全への進行例などの治療抵抗例も存在している.診断のカギとなるのは,他の成因の除外と病理組織学的検索であり,早期に治療を開始することで予後の向上が期待される.
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