特集 腸内細菌と臨床
1 .腸内細菌と消化器疾患(5)腸内細菌とNSAID 潰瘍
加藤 孝征
1
,
結束 貴臣
1
,
日暮 琢磨
1
,
中島 淳
1
1横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学
キーワード:
小腸潰瘍
,
腸管透過性
,
leaky gut
,
PPI
,
dysbiosis
Keyword:
小腸潰瘍
,
腸管透過性
,
leaky gut
,
PPI
,
dysbiosis
pp.1347-1351
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000101
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小腸におけるNSAID 潰瘍形成の機序の全貌は明らかになっておらずさまざまな因子が関与していると考えられているが,腸内細菌がその一端を担っていることはこれまでの研究の結果から間違いないとされている.PPI は上部消化管に関してはNSAID 潰瘍の予防薬として広く使用されているものの,小腸においては腸内細菌を変化させることによって,逆にNSAID 潰瘍のリスク因子となることがわかってきた.この二つの事実によるパラドックスを打開するための治療はまだ確立されておらず,今後の研究課題としてなお残っている.
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