特集 自己抗体から紐解く小児疾患
Ⅰ.総論:自己抗体と自己免疫疾患
自己免疫疾患の発症機序
宮前 多佳子
1
1東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学分野
キーワード:
自己免疫疾患
,
免疫寛容
,
Ⅰ型インターフェロン
,
疾患感受性遺伝子
Keyword:
自己免疫疾患
,
免疫寛容
,
Ⅰ型インターフェロン
,
疾患感受性遺伝子
pp.1525-1530
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001967
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SUMMARY
▷自己免疫疾患の発症において,免疫寛容機構の破綻が背景となっている.
▷自己免疫疾患は多因子疾患であるが,小児では,遺伝的要因の関与が早期発症を導いていると理解されている.思春期に近づくにつれて,環境因子が発症の誘因として重要性を増し,成人に近い発症様式となる.
▷全身性エリテマトーデス(SLE)における自己抗体産生には,自己反応性B細胞の活性化と分化を促進する中心的なCD4陽性T細胞サブセット,濾胞性ヘルパーT細胞と末梢ヘルパーT細胞が寄与する.
▷Ⅰ型インターフェロン(IFN)はSLEなどの自己免疫疾患における中心的な炎症メディエータとされ,樹状細胞やB細胞の活性化に寄与する.
▷自己免疫疾患の主要な環境因子には,感染症,腸内細菌叢,紫外線などがある.

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