特集 IBD診療―ますます増えた薬剤の選択とさらなる進化の展望
1.治療薬の使い分けの総論と各論(1)IBDはどうモニタリングし,どのように治療を変えていくのか
加藤 順
1,2
1千葉大学大学院医学研究院消化器内科学
2千葉大学医学部附属病院内視鏡センター
キーワード:
Treat to Target
,
長期QOL
,
二次無効
Keyword:
Treat to Target
,
長期QOL
,
二次無効
pp.119-126
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002923
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IBDの治療選択,治療変更に関しては,Treat to Targetというようなスローガンが唱えられるが,targetは必ず達成しなければならないわけではなく,達成不可能な場合もある.治療選択,変更する際には,そのメリット,デメリットを慎重に考慮して判断しなければならない.IBDの活動性指標のゴールドスタンダードは内視鏡であるが,治療選択,変更の指標としては,患者の病態にあわせて症状,血液検査,便検査などでモニタリングを行う.また,治療変更を行った際の効果判定にも適切なモニタリングを適切な時期に行う必要がある.治療選択肢には限界があるため,生物学的製剤の無効時にはできるだけ一つの製剤を使い尽くす工夫が必要である.最も大事なことは,患者の長期QOLを俯瞰したうえで,いまの治療選択を考えることである.
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