特集 胆膵の画像・内視鏡診断の進歩―早期診断と正確な診断のために
10.EUS-FNAの最新のトレンド
肱岡 範
1
,
永塩 美邦
1
,
丸木 雄太
1
,
大場 彬博
1
,
奥坂 拓志
1
1国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科
キーワード:
EUS-TA
,
膵癌
,
組織診
,
がんゲノムプロファイリング検査
,
endo-hepatology
Keyword:
EUS-TA
,
膵癌
,
組織診
,
がんゲノムプロファイリング検査
,
endo-hepatology
pp.1669-1677
発行日 2023年11月20日
Published Date 2023/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002872
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胆膵疾患の良悪性診断にはEUSを用いた組織採取(EUS-TA)による組織検体が用いられる.診断能および適正検体採取の観点からは,fine-needle biopsy needle (FNB針),なかでもfranseen針またはfork-tip針の選択が推奨される.また良悪性診断においては22 G針が検体採取量と偶発症の発生リスクのバランスからは最も頻用されている.近年は肝疾患に対してもendo-hepatologyという概念が広がり,肝疾患に対するEUS-TAも行われている.USガイド下肝生検と比較し診断能は同等で,有害事象は有意に少ないと報告されており,今後のさらなる展開が期待される.また,がんゲノムプロファイリング(CGP)検査提出用としてもEUS-TAの組織検体が活用されているが,CGP提出成功割合は19 G FNB針を用いても60%程度と低く,DNA量を減らした胆膵癌専用ミニパネル検査を作るなどの取り組みが重要課題と考える.
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