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特集 膵癌の早期発見・早期診断を目指して
[各論]
膵癌の早期診断におけるEUS-FNAの有用性と限界
Usefulness and limitations of EUS-FNA for the early diagnosis of pancreatic cancer
糸永 昌弘
1
,
蘆田 玲子
1
,
山下 泰伸
1
,
田村 崇
1
,
川路 祐輝
1
,
北野 雅之
1
Masahiro Itonaga
1
,
Reiko Ashida
1
,
Yasunobu Yamashita
1
,
Takashi Tamura
1
,
Yuki Kawaji
1
,
Masayuki Kitano
1
1和歌山県立医科大学消化器内科
キーワード:
膵癌
,
EUS-FNA
,
早期診断
Keyword:
膵癌
,
EUS-FNA
,
早期診断
pp.732-736
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001441
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はじめに
膵癌は画像診断技術が進歩した現在でも,早期診断は困難であり,その予後は依然として不良である。一方,日本膵臓学会の膵癌登録の成績1),また2018年初頭に報告された200例のStage 0およびⅠ膵癌の国内多施設共同研究の成績2)などから,早期診断された膵癌,特に腫瘍径が10mm以下の膵癌では良好な予後が期待されている。そのため10mm以下の膵癌を発見し適切に診断することが重要である。画像にて小腫瘤を認めた場合,病理診断を行わずに外科手術を行う方針もありうるが,日常臨床では,画像診断では良悪性の診断がつけられない症例も少なからず存在し,さらに近年は術前化学療法を行う症例も多いことから,術前に病理診断が必要な症例も多い。病理診断の方法としては,腫瘤性病変が認められる場合は『膵癌診療ガイドライン2022年版』では,EUS-FNAを提案している3)。しかし,小膵癌のEUS-FNAの成績は決して高くないのが現状である。本稿では,小膵癌に対するEUS-FNAの有用性および限界について述べていきたい。
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