連載 「胃炎の京都分類」の使い方
第14回 スクラッチサインはどのようにできるのか
今川 敦
1
,
佐野 暢哉
2
1今川内科医院消化器内科
2明石医療センター病理診断科
キーワード:
スクラッチサイン
,
H. pylori感染
,
胃炎の京都分類
,
内視鏡所見
Keyword:
スクラッチサイン
,
H. pylori感染
,
胃炎の京都分類
,
内視鏡所見
pp.1579-1583
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002849
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Helicobacter pylori(H. pylori)の感染状態は胃粘膜萎縮の有無,ポリープの性状,粘液の有無等により,おおよその診断が可能である.今回新たな参考所見として,内視鏡検査中の感染状況を推測するツールであるスクラッチサインが「胃炎の京都分類(改訂第3版)」に掲載された.容易に識別可能なスクラッチサインはスコープの物理的な刺激により発生する.陽性の場合はH. pylori未感染および既感染の場合が多い.すなわち背景粘膜に萎縮がなく,スクラッチサインが陽性であればH. pylori未感染,背景粘膜に萎縮を認める場合はH. pyloriの既感染(自然除菌を含む)の状態であると推測可能である.
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