特集 気道アレルギー
アレルギー診断上の要点—鼻汁,スクラッチ,皮内テスト
斎藤 洋三
1
1東京医科歯科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.793-798
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207978
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Ⅰ.鼻汁細胞検査
すでにHanselなどによつて鼻アレルギーにおける鼻汁の細胞学的診断法の意義が強調されているが,近年わが国においても花粉症のごとき典型的な即時型(アトピー型)鼻アレルギーが発見され,その病態も解明されるにおよび,局所の好酸球増多が即時型(アトピー型)アレルギー反応の積極的指標となりうることが実証された。すなわち,花粉症においては季節中には局所好酸球増多が組織学的にも細胞学的にも証明される必発の現象であつて,季節外の間歇期にはこれが正常に復する。また,間歇期における鼻粘膜誘発反応の際にも鼻汁に好酸球が出現することが認められている。
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