特集 ここまで進んだ肝硬変診療
1.肝硬変診療ガイドラインを読み解く―Annual Reviewを踏まえて
赤羽 たけみ
1
,
吉治 仁志
1
1奈良県立医科大学消化器内科学講座
キーワード:
肝硬変
,
ガイドライン
,
Annual Review
,
合併症
,
治療
Keyword:
肝硬変
,
ガイドライン
,
Annual Review
,
合併症
,
治療
pp.1239-1246
発行日 2023年8月20日
Published Date 2023/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002773
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2020年に「肝硬変診療ガイドライン」(改訂第3版)が発刊された後,数々の研究成果が報告されている.これらの内容を反映させるためガイドラインのAnnual Reviewが行われ,updateされたおもな事項は以下のとおりである.① ガイドラインの栄養療法フローチャートは,死亡リスクの層別化と栄養療法の開始基準として適切である.② 非代償性C型肝硬変患者に対するDAA治療は予後を改善するが,肝疾患関連死が少数例報告されているため投与は慎重に判断すべきである.③ 肝性腹水に対するトルバプタンの投与は予後を改善する.④ 不顕性脳症の診断にStroop testのカットオフ値が提唱された.⑤ 肝疾患合併サルコペニアの診断基準で男性の握力の基準値が28 kgに改訂された.⑥ 観血的処置を予定している肝硬変患者のトロンボポエチン受容体作動薬投与のアルゴリズムが提案された.今後さらに新たな知見が得られ,肝硬変患者のQOLや予後改善につながることが望まれる.
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