特集 急性膵炎診療ガイドライン改訂とPancreatitis Bundles を読み解く
7.急性膵炎の栄養療法と早期経腸栄養の重要性
竹山 宜典
1
1近畿大学医学部外科
キーワード:
重症急性膵炎
,
早期経腸栄養
,
バクテリアトランスロケーション
,
経口摂取再開
Keyword:
重症急性膵炎
,
早期経腸栄養
,
バクテリアトランスロケーション
,
経口摂取再開
pp.1061-1068
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002719
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急性膵炎では高度の炎症反応から必要熱量が1.5倍に上昇し,発症早期から十分な栄養補給が重要である.さらに,重症急性膵炎では発症48時間以内の経腸栄養開始が,感染防止と致死率低下に貢献することが明らかになっており,早期経腸栄養は栄養療法である以上に感染対策として重要で,その施行は急性膵炎治療において必須事項である.2021年に改訂された「急性膵炎診療ガイドライン」でもそのことが明記されており,投与経路として経胃栄養が経腸投与と同等であること,腸管の穿孔・出血などの禁忌条件がないかぎり施行すべきことも示されている.一方,軽症膵炎ではたとえ腹痛や腸管麻痺があっても早期に経口摂取を開始することが,回復を早め在院日数を短縮させることも明らかになっている.今後は,ガイドラインに示された急性膵炎診療における遵守項目であるPancreatitis Bundles普及による医療者の意識改革が喫緊の課題である.
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