特集 急性膵炎診療ガイドライン改訂とPancreatitis Bundles を読み解く
5.急性膵炎における初期輸液
土谷 飛鳥
1
1東海大学医学部医学科総合診療学系救命救急医学
キーワード:
輸液速度
,
晶質液
,
膠質液
,
緩衝液
,
0.9%食塩液
Keyword:
輸液速度
,
晶質液
,
膠質液
,
緩衝液
,
0.9%食塩液
pp.1049-1054
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002717
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入院早期の輸液療法は,急性膵炎治療の基礎となる重要な治療であり,改訂ガイドラインでは三つの新CQを作成して推奨を行った.輸液速度に関して,積極的輸液群で死亡割合が低い傾向であり,積極的輸液療法を実施することを提案するとともに,過剰輸液とならないよう精度の高いモニタリングの重要性を強調した.輸液の種類に関して,晶質液と膠質液,緩衝液と0.9%食塩液を比較して推奨を行った.前者において,膠質液は,急性腎障害発症・腎代替療法施行割合を増加させるため,晶質液の使用を提案し,後者では,急性膵炎発症24時間後のsystemic inflammatory response syndromeスコアの改善割合が高い緩衝液の使用を提案した.
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