特集 消化管狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術
11.消化管術後狭窄に対するRIC法
山崎 剛明
1
,
砂川 弘憲
1
,
門田 智裕
1
,
矢野 友規
1
1国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科
キーワード:
radial incision and cutting (RIC)
,
術後狭窄
,
難治性狭窄
Keyword:
radial incision and cutting (RIC)
,
術後狭窄
,
難治性狭窄
pp.560-565
発行日 2023年4月20日
Published Date 2023/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002603
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本稿では,消化管術後狭窄に対するradial incision and cutting (RIC) methodについて食道を中心に解説する.食道術後狭窄に対する狭窄解除術として第一に内視鏡的バルーン拡張術やブジー法が施行されるが,一部の症例では狭窄解除が困難となる.これらの処置を繰り返しても狭窄解除が困難な場合にRICの導入が検討される.RICは安全性が高く,術後狭窄に限れば有効性も比較的高いが,内科的治療(化学放射線療法,内視鏡的切除,光線力学療法)後狭窄では再狭窄率が高く,長期的な成績には課題が残されている.また,下部消化管,胆管,膵管の吻合部狭窄に対してRICを行った報告もみられ,今後,食道以外の臓器へのRICの導入が進むことも期待される.
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