特集 黄疸を極める
4.胆汁うっ滞性黄疸(2)原発性硬化性胆管炎と黄疸
水野 卓
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
キーワード:
原発性硬化性胆管炎
,
黄疸
,
予後
,
胆管ドレナージ
Keyword:
原発性硬化性胆管炎
,
黄疸
,
予後
,
胆管ドレナージ
pp.292-296
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002540
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原発性硬化性胆管炎(PSC)は,肝内外の胆管に原因不明の線維性狭窄をきたし,胆汁うっ滞から肝硬変に至る難病である.黄疸はPSCの主たる症状の一つであり,予後不良因子の代表として知られている.PSCにおける黄疸は,胆管狭窄のため生じる胆汁うっ滞による閉塞性黄疸と,胆汁うっ滞性肝硬変のため肝機能の低下によって現れる肝実質性黄疸の複合である.閉塞性黄疸の要素に対しては胆管ドレナージが有効である.内視鏡治療においては細菌感染の合併が問題となるため,適応を慎重に選択する必要がある.狭窄部のバルーン拡張が第一選択であるが,胆管ステント留置や経皮的なドレナージを行うこともある.
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