臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
IV.肝・胆道・膵疾患
肝外性閉塞性黄疸 VS 肝内胆汁うっ滞症
佐々木 博
1
Hiroshi SASAKI
1
1富山医科薬科大学・第3内科
pp.1948-1949
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216826
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なぜ鑑別が問題となるか
黄疸をきたす疾患は多いが,鑑別診断上最も問題となるのは(肝外性)閉塞性黄疸と肝内胆汁うっ滞(症)とである.前者ではさらに腫瘍性と非腫瘍性(主に胆石症)閉塞の鑑別が必要であり,後者では成因として薬剤性とウイルス性との区別が問題となる.両疾患は症状,機能検査上しばしば類似点を示す場合があるが,閉塞性黄疸では外科的治療の対象となることが多く,一方,肝内胆汁うっ滞は黄疸が遷延しても通常2〜3ヵ月で軽快し,内科領域の疾患として取扱われる.なお肝内胆汁うっ滞は急性,反復性および慢性に分類されているが,ここでは急性肝内胆汁うっ滞との鑑別について述べることにする.
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