特集 黄疸を極める
3.肝細胞性黄疸(2)肝硬変と黄疸
赤羽 たけみ
1
1奈良県立医科大学消化器内科学講座
キーワード:
肝硬変
,
黄疸
,
ビリルビン代謝異常
,
肝予備能評価
,
肝不全
Keyword:
肝硬変
,
黄疸
,
ビリルビン代謝異常
,
肝予備能評価
,
肝不全
pp.265-270
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002536
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肝硬変では,代償期には黄疸を呈さないが,非代償期に移行して肝不全が進行すると黄疸は顕性化する.肝硬変患者で黄疸が出現すれば予後は重篤であり,黄疸は病態悪化の指標として重要な兆候である.血清ビリルビン値は肝硬変の病態の把握や予後予測に有用であるため,重症度判定のすべてにビリルビン値が含まれている.黄疸の原因は,おもに肝細胞機能不全によるビリルビン代謝異常である.肝硬変が進行するとともに血漿から肝細胞へのビリルビンの移行,小胞体における抱合,胆汁中への排泄が低下し,高ビリルビン血症が生じる.ほかに肝線維化による毛細血管障害が起こす胆汁うっ滞や脾機能亢進などによる赤血球寿命の短縮も関与している.
Copyright © 2023, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.