特集 黄疸を極める
4.胆汁うっ滞性黄疸(1)原発性胆汁性胆管炎と黄疸
山下 裕騎
1,2
,
城下 智
1,3
1信州大学医学部内科学第二教室・消化器内科
2信州大学医学部内科学第二教室・先端治療内視鏡学講座
3信州大学医学部内科学第二教室・健康推進学講座
キーワード:
原発性胆汁性胆管炎
,
黄疸
,
胆汁うっ滞
,
胆汁酸
Keyword:
原発性胆汁性胆管炎
,
黄疸
,
胆汁うっ滞
,
胆汁酸
pp.285-291
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002539
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原発性胆汁性胆管炎(PBC)は,遺伝因子と環境因子を背景に中高年の女性に好発し,病因に自己免疫学的機序が想定される自己免疫性肝疾患である.病態には慢性進行性の胆汁うっ滞が関与し,さまざまな免疫担当細胞の関与が示唆されているが,その機序には未解明な点が多い.大部分のPBC患者は無症候性であるが,一部は病態が進行し症候性となる.症状のうち,本稿で扱う黄疸(胆汁うっ滞)に関連するものとしては,皮膚瘙痒症,骨粗鬆症,脂質異常症などがある.PBCの治療に使用されるウルソデオキシコール酸やベザフィブラートといった薬剤の胆汁うっ滞に対する改善効果は複数報告されているが,PBCの病態に対する根治的な治療ではなく,今後の新規治療薬の開発が期待される.
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