特集 肝と免疫2019
3.原発性胆汁性胆管炎(PBC)(3)原発性胆汁性胆管炎の治療と予後
上野 義之
1
1山形大学医学部内科学第二講座(消化器内科)
キーワード:
胆汁酸
,
モデル
,
PPAR
,
FXR
Keyword:
胆汁酸
,
モデル
,
PPAR
,
FXR
pp.521-526
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000739
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原発性胆汁性胆管炎(PBC)に対する第一選択薬であるウルソデオキシコール酸(UDCA)は60~70%程度の症例で効果があると考えられており,これらの症例の予後は一般的に良好である.PBC の治療効果判定には,アルカリフォスファターゼ値などの生化学検査を用いて判断するBarcelona 基準やParisⅡ基準,あるいは定量的に年齢や検査値などのパラメーターから算出するGlobe スコアやUK‒PBC リスクスコアなどがある.一部のUDCA 不応例や不耐例に対してはPPAR アゴニストであるベザフィブラートがわが国では用いられることが多いが,長期の安全性などは確定していない.海外ではFXR アゴニストであるオベチコール酸(OCA)がPBC に対してセカンドラインの治療薬として承認されている.さらに開発中の薬剤もあり,今後PBC を含めた胆汁うっ滞性肝疾患の新規治療薬が導入されることが期待されている.
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