特集 外来で行う消化器がん薬物療法のコツ ― 専門医からのアドバイス
1.がん診療におけるがん薬物療法の位置づけ(3)大腸がん
松原 裕樹
1
,
室 圭
1
1愛知県がんセンター薬物療法部
キーワード:
大腸がん
,
薬物療法
,
術後補助化学療法
Keyword:
大腸がん
,
薬物療法
,
術後補助化学療法
pp.1410-1416
発行日 2022年9月20日
Published Date 2022/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002385
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大腸がんの薬物療法ではバイオマーカーの担う役割が大きくなってきている.以前は抗EGFR抗体薬の適応判断のためにRAS遺伝子変異を検索する程度であったが,現在は原発部位やBRAF,マイクロサテライト不安定性(MSI)/DNAミスマッチ修復(mismatch repair;MMR)といったバイオマーカーも治療選択に影響を与えるようになってきた.またHER2やNTRKといった希少な遺伝子異常を対象とした治療薬も保険償還となった.さらに,周術期治療においても再発リスクごとに術後補助化学療法の至適期間が異なってきており,個別化が進んでいる.患者に適切な薬物療法を選択できるように,最新のガイドラインやエビデンスを理解し実臨床に活かしていく必要がある.
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