特集 予防医療―包括的な提供を目指して
スクリーニング
大腸がん
都築 義和
1
,
今枝 博之
1
1埼玉医科大学消化管内科
キーワード:
大腸がん
,
便潜血検査
,
免疫学的潜血反応(FIT)
,
S状結腸鏡検査
,
大腸カプセル内視鏡検査
Keyword:
大腸がん
,
便潜血検査
,
免疫学的潜血反応(FIT)
,
S状結腸鏡検査
,
大腸カプセル内視鏡検査
pp.1067-1070
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_1067
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Summary
▪死因順位で大腸がんは男性で3位,女性で1位であり,増加の一途をたどっている.
▪大腸がんのスクリーニング検査の精度を上げ,早期大腸がん,およびそのリスクである大腸ポリープ(腺腫)を拾い上げることが重要である.
▪危険因子として高齢および家族歴が証明されている.
▪スクリーニング検査の開始年齢は,本邦では40歳が妥当と考えられる.
▪大腸がん検診受診者に対して大腸がん発見率は0.18%である.
▪スクリーニングの便潜血検査には化学法と免疫学的潜血反応(FIT)がある.
▪FITは感度・特異度のバランスから2日法が採用されていることが多い.
▪S状結腸鏡検査は,ランダム化比較試験(RCT)により死亡率低下効果が示されている.
▪便潜血検査の検査間隔について,化学法での30年間追跡したRCTの結果では,毎年検診で32%,隔年検診で22%の死亡率低下効果が認められた.
© Nankodo Co., Ltd., 2020