特集 内視鏡検査で大腸癌の見落としゼロを目指して
1.大腸癌の見落としはいつ,どうして起こるのか(4)PCCRCと適切な大腸内視鏡検査間隔
松田 尚久
1
,
藤本 愛
1
,
佐野 寧
2
,
藤井 隆広
3
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
2佐野病院消化器センター
3藤井隆広クリニック
キーワード:
大腸癌
,
PCCRC
,
大腸内視鏡検査
,
サーベイランス間隔
Keyword:
大腸癌
,
PCCRC
,
大腸内視鏡検査
,
サーベイランス間隔
pp.631-636
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002206
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2010年にpost-colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)という概念が提唱された.PCCRCは大腸癌の診断がなされなかった大腸内視鏡検査後に発生した大腸癌に対して用いられる.PCCRCの発生頻度は0.7~1.7症例/1,000人年で,全大腸癌の2.9~9.0%を占める.見逃しによるものが50~60%,不完全切除に起因するものが20%,新規発生癌は25%と類推されている.臨床病理学的検討から,PCCRCは高齢者の近位結腸に平坦な病変として認められることが多く,de novo発癌やserrated pathwayを介した発癌を機序としたものの割合が高いことが示唆される.
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