特集 胆石症の診療方針
10.肝内結石症の診療方針
鈴木 裕
1
,
森 俊幸
2
,
伊佐山 浩通
3
,
田妻 進
4
,
田中 篤
5
,
阪本 良弘
1
1杏林大学医学部消化器・一般外科
2佼成病院外科
3順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学
4広島県厚生農業協同組合連合会尾道総合病院
5帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
肝内結石症
,
全国調査
,
診療ガイドライン
,
肝切除術
,
内視鏡的治療
Keyword:
肝内結石症
,
全国調査
,
診療ガイドライン
,
肝切除術
,
内視鏡的治療
pp.555-562
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002182
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肝内結石症の診療について概説した.研究班では過去8回の全国調査が行われ,この間,高齢化と男女比の逆転がみられ,胆道再建後の二次性肝内結石が増加している.結石遺残・再発率も高く,依然として治療成績は不良である.診断に関しては,CTや腹部USが多く行われており,まずは低侵襲であるCTやUS,MRI/MRCPが選択される.治療に関しては,非手術的治療の増加と手術的治療の減少が著明であり,とくにERCやバルーン内視鏡下ERCなどの経口的内視鏡治療の増加が著しい.これらは手術的治療よりも低侵襲であり優先して行われるが,完全結石除去が困難な場合は手術的治療が選択される.肝内胆管癌の合併は重要な予後不良因子である.診断から治療,フォローアップ中も常に胆管癌の合併を考慮すべきである.
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