術後胆道合併症の防止とその対策
良性疾患 肝内結石症に対する手術 遺残・再発結石予防のための治療法の選択
内山 和久
1
,
山上 裕機
1和歌山県立医科大学 第二外科
キーワード:
ドレナージ
,
肝切除
,
再発
,
術後合併症
,
発生率
,
肝内結石症
,
T字管
,
経皮経肝胆道鏡法
,
経皮経肝胆道鏡的結石砕石術
Keyword:
Drainage
,
Hepatectomy
,
Postoperative Complications
,
Recurrence
,
Incidence
pp.950-954
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008318958
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝内結石症治療の現況と術後合併症、とくに長期合併症として結石遺残と再発結石についてまとめた。肝内結石症に対する治療法は、肝切除に加えてpercutaneous transhepatic cholangioscopic lithotripsy(PTCSL)などの非観血的治療が増加し、われわれの施設における遺残結石率も1986年以降では8.6%にまで減少した。一方、治療後の結石再発率は22.7%であり、肝切除術後は13.6%と少なかったものの、PTCSL後は50%と多く、また胆管癌の出現もあり、PTCSLは根治術になりにくい可能性が示唆された。一方、肝切除術後の再発部位はB4が多く、L型に対しては外側区域切除で結石が除去できても、胆汁うっ滞の残るB4を切除する左葉切除を選択すべきと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008