特集 胆石症の診療方針
7.胆石性膵炎
横山 健介
1
,
菅野 敦
1
,
三輪田 哲郎
1
,
長井 洋樹
1
,
池田 恵理子
1,2
,
安藤 梢
1,2
,
玉田 喜一
1
,
山本 博徳
1
1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門
2自治医科大学附属病院病理診断部・病理診断科
キーワード:
胆石性膵炎
,
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)
,
内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
Keyword:
胆石性膵炎
,
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)
,
内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
pp.535-540
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002179
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胆石はわが国における急性膵炎の二大成因の一つである.胆石性膵炎は,胆石や胆泥が共通管に嵌頓し胆汁とともに膵液の排出が障害されることで発生する.胆石性膵炎の診断では,血清膵酵素の上昇とともに肝胆道系酵素の上昇が認められ,胆管炎を併発することが多い.また,画像診断では,腹部超音波検査や腹部CTで総胆管結石が描出されれば胆石性膵炎の診断は容易であるが,結石が小さい場合や結石の乳頭通過後の場合には,超音波内視鏡など複数の検査を組み合わせて慎重に診断する必要がある.重症度の診断では,膵炎と胆管炎が併存しているため複合的な診断が求められる.胆石性膵炎の治療では,可能なかぎり早期に共通管を閉塞する胆石を除去することが求められるが,時間が経過し膵炎が重症化した場合には膵炎の治療が優先される.また,胆囊結石を有する胆石性膵炎では,再発防止目的に,膵炎治療後の速やかな胆囊摘出術が望ましい.
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