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特集 急性膵炎―画像診断と治療選択
合併症の画像診断と治療対策
胆石性急性膵炎の診断と治療
Diagnosis and Treatment for Acute Biliary Pancreatitis
笠 晋一朗
1
,
眞栄城 兼清
1
,
濱田 義浩
1
,
緒方 賢司
1
,
安波 洋一
1
,
池田 靖洋
1
Shinichiro Ryu
1
,
Kensei Maeshiro
1
,
Yosihiro Hamada
1
,
Kenji Ogata
1
,
Yohichi Yasunami
1
,
Seiyo Ikeda
1
1福岡大学医学部第一外科
1Department of Surgery I,Fukuoka University
キーワード:
胆石性膵炎
,
内視鏡的治療
,
EST
Keyword:
胆石性膵炎
,
内視鏡的治療
,
EST
pp.613-617
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100283
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要旨 胆石性急性膵炎(以後,胆石性膵炎)は,胆石や胆砂により膵液流出が障害されることで膵管内圧が上昇して急性膵炎が惹起され,同時に胆汁のうっ滞と胆道感染症を併発して複合的な病態を呈する.このため,閉塞機転の解除が原因治療となるので発症早期に胆石をEST後に除去すれば,膵管と胆管の減圧ドレナージがはかられ,急性膵炎の軽快や重症化の阻止が得られる.すなわち胆石性膵炎は,重症化すると治療成績が不良な急性膵炎のなかで,原因治療が可能な特異な病態と言える.しかし,急性期のESTの適応に関しては,重症例,胆管炎や閉塞性黄疸併発例では緊急に施行すべきとされているが,軽症例では保存的治療のみでよいとする意見もあり,昨年出版された”急性膵炎の診療ガイドライン”でも,軽症例に対するESTは積極的には推奨していない.しかし,軽症例で経過観察中に重症化する症例や胆管炎を併発する症例は少なくはないため,効果的なタイミングを失することがないように経時的な病態変化の把握に努め,積極的に原因治療法である内視鏡的治療を施行するほうが安全と考える.
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