特集 肝不全・肝硬変に対する再生療法―最先端の今
2.基礎的知見の進歩(1)線維肝再生の細胞分子基盤
柳川 享世
1,2
,
稲垣 豊
1,2
1東海大学医学部基盤診療学系先端医療科学
2東海大学大学院医学系研究科マトリックス医学生物学センター
キーワード:
肝再生
,
線維肝
,
肝前駆細胞
,
脱分化
Keyword:
肝再生
,
線維肝
,
肝前駆細胞
,
脱分化
pp.1607-1615
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002024
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肝臓の再生は,背景肝の状態,傷害の種類や程度によってその様式が異なる.すなわち,正常肝の部分切除ならびに軽度の傷害では残存した成熟肝細胞の肥大と増殖によって再生するのに対し,重度の肝傷害または線維化を伴うような慢性肝傷害では肝前駆細胞の動員が重要になる.さらに,傷害の種類によっても動員される肝前駆細胞の性質が異なることが報告されている.本稿では,線維肝の再生を担う肝前駆細胞の多彩な起源と分子基盤に関する最近の研究の進歩を概説するとともに,筆者らが同定した骨髄由来細胞が発現する新たな線維肝再生促進因子(opioid growth factor receptor—like 1)についての研究成果を紹介する.
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