特集 肝不全・肝硬変に対する再生療法―最先端の今
4.開発中の肝再生医療(4)CD34陽性細胞(血管内皮前駆細胞)を用いた肝再生療法
中村 徹
1
,
増田 篤高
1
,
鳥村 拓司
1
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
キーワード:
血管内皮前駆細胞
,
CD34陽性細胞
,
細胞療法
,
肝再生
Keyword:
血管内皮前駆細胞
,
CD34陽性細胞
,
細胞療法
,
肝再生
pp.1667-1674
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002032
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わが国における肝硬変の成因はC型肝炎ウイルス(HCV),B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染が多いが,HCV,HBV感染患者の高齢化が進み,進展した肝硬変や肝細胞癌を合併する症例が多くなっていることが問題となっている.一方,近年では肥満人口の増加とともに,非アルコール性脂肪肝炎(NASH)による肝硬変症例も増えている現状がある.肝硬変は非代償期にまで進行すると肝予備能の低下により,黄疸,腹水,肝性脳症などの肝不全症状が出現し,食道・胃静脈瘤の破裂を併発する予後不良な疾患である.CD34陽性細胞を用いた新しい肝再生療法は,動物実験,前臨床および臨床試験により良好な成績が示されつつある.現在,G—CSF動員自家末梢血CD34陽性細胞を用いた肝再生療法が新たな標準治療となることを目指して開発を進めている.
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