特集 肝不全・肝硬変に対する再生療法―最先端の今
巻頭言:肝不全・肝硬変に対する新しい治療の開発―肝臓領域における新しい治療戦略
寺井 崇二
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1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学
pp.1599-1600
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002022
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肝臓は古来,再生する臓器と考えられており,肝臓の再生研究を通じて多くの生物学,医学が進んできた.肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるが,これは肝臓の再生力があるためである.しかしながら,進行した肝硬変では再生力が低下している.実際に,肝臓の再生力を利用した生体肝移植が行われるがドナーの問題等もあり,すべての慢性肝不全の患者には適応できない.新たに,再生誘導のための肝線維化改善療法,肝再生療法の開発が求められている.従来難しかった治療法の開発のため,新規薬剤,マクロファージ,間葉系幹細胞,エクソソーム,ES細胞,iPS細胞を用いた再生療法,治療法の開発が期待される.さらに基礎研究の進歩とともに,再生医療,遺伝子治療などの治療法の開発が進むと考えられる.本特集では,現在の国内のこの分野を牽引する研究者に寄稿をお願いした.
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