特集 胆管癌診療の現況
2.胆管癌の分子異常
全 陽
1
1キングスカレッジ病院肝臓病研究所
キーワード:
肝内胆管癌
,
KRAS
,
IDH
,
MDM2
Keyword:
肝内胆管癌
,
KRAS
,
IDH
,
MDM2
pp.1371-1376
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001964
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胆管癌にみられる分子異常の解析は過去10年間で飛躍的に進んだ.この進歩を可能にしたのは次世代シークエンサーであることに疑いの余地はないが,その後に行われた個別の遺伝子異常を対象とした(地味で)詳細な臨床病理学的検討が,得られた知見を実臨床に還元する役目を担ったことも間違いない.得られた知見に基づき,胆管癌の分類が見直され,現在は解剖学的な分類から生物学的な分類に移行する過渡期にいると推定される.さらに,遺伝子異常に基づく臨床試験も進行中で,有望な結果が報告されている.胆管癌という組織形態に基づく診断だけでなく,背景にある遺伝子異常を理解することが,日常診療に必須となりつつある.
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