特集 胆道感染症の診断・治療
11.高齢者における総胆管結石症に対する治療
伊藤 謙
1
,
岡野 直樹
1
,
宅間 健介
1
,
原 精一
1
,
岸本 有為
1
,
五十嵐 良典
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
キーワード:
総胆管結石症
,
内視鏡治療
,
高齢者
Keyword:
総胆管結石症
,
内視鏡治療
,
高齢者
pp.1183-1188
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001913
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本邦の高齢者は年々増加しており,それとともに総胆管結石症患者も加齢に伴い増加するとされている.総胆管結石は放置すれば長期的には胆管炎を惹起して重篤な病態に進展する可能性があるため,高齢者でも治療適応となる.高齢者における胆道ドレナージとしては経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)と内視鏡的経乳頭的ドレナージ(EBD)がある.EBDには内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)と内視鏡的胆管ステンティング(EBS)があるが,患者背景を考慮して選択する.高齢者は基礎疾患を有する症例が多いため,ERCPを施行する際には十分な監視モニターを装着することが望ましい.結石治療の際,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)や内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)は安全である.大結石や積み上げ結石には内視鏡的乳頭大口径バルーン拡張術(EPLBD)を用い,効率的な治療が行われている.しかし,全身状態が不良の場合には胆管ステントの長期間留置も選択肢の一つとなる.
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