消化管がん検診・スクリーニングの手引き
Ⅵ 下部消化管の検診でしばしば遭遇する腫瘍性疾患 ❸ 過形成性ポリープ・SSA/P・鋸歯状腺腫
岡崎 能久
1
1大阪はびきの医療センター
キーワード:
HP
,
SSA/P
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TSA
Keyword:
HP
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SSA/P
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TSA
pp.1034-1040
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001883
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大腸鋸歯状ポリープからの代表的な癌化経路はserrated pathwayと呼ばれ,MLH1に代表される複数の遺伝子のDNA promoter領域にメチル化が起こり,エピゲノム異常が蓄積することがその進展に大きな役割を担っている.また,serrated pathwayより発生する大腸癌はBRAF遺伝子変異やMLH1高メチル化によるマイクロサテライト不安定性(microsatellite instability;MSI)を有し,右側結腸に有意に多く,かつ高齢者に多いといわれている.実際,本邦においても高齢者の右側結腸癌は近年増加傾向であり,その前癌病変と考えられるsessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)などの大腸鋸歯状ポリープに対する内視鏡検査時の対応の重要性は増している.
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