特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔腸〕
大腸鋸歯状病変(serrated polyp)
長谷川 申
1
,
鶴田 修
1
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
キーワード:
HP
,
hyperplastic polyp
,
SSA/P
,
sessile serrated adenoma/polyp
,
TSA
,
traditional serrated adenoma
Keyword:
HP
,
hyperplastic polyp
,
SSA/P
,
sessile serrated adenoma/polyp
,
TSA
,
traditional serrated adenoma
pp.762
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113342
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大腸鋸歯状病変はSP(serrated polyp)やserrated lesionと呼ばれ,腺管が鋸歯状の管腔構造を呈する病変である.現在のところ病理組織学的にHP(hyperplastic polyp),SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp),TSA(traditional serrated adenoma)と3つのカテゴリーに分類することが提唱されている1)(Table 1,Fig. 1).
従来,大腸の鋸歯状腺管構造を有するポリープは病理組織学的に過形成性ポリープと診断され,非腫瘍性病変であり癌化の危険性はない病変と考えられていた.しかし近年,HPやSSA/Pを介した新しい大腸癌の発癌経路である“serrated pathway”2)3)が提唱されるようになり,特にSSA/Pとされる病変は右側結腸に発生する遺伝子不安定性(microsatellite instability;MSI)陽性大腸癌の前駆病変とされ注目されている.しかしわが国におけるSSA/Pの診断基準はいまだコンセンサスが得られておらず,現在,大腸癌研究会プロジェクト研究において検証中である.またその内視鏡診断についても学会・研究会にて種々報告されている最中である.
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