Japanese
English
症例報告
硬化性胆管炎の1例
A Case of Sclerosing Cholangitis
窪田 賢輔
1
,
藤澤 聡郎
1
,
秋山 智之
1
,
藤田 浩司
1
,
高橋 宏和
1
,
米田 正人
1
,
稲森 正彦
1
,
阿部 泰伸
1
,
桐越 博之
1
,
齋藤 聡
1
,
大城 久
2
,
稲山 嘉明
2
,
能登原 憲司
3
,
中島 淳
1
Kensuke KUBOTA
1
,
Toshio FUJISAWA
1
,
Tomoyuki AKIYAMA
1
,
Koji FUJITA
1
,
Hirokazu TAKAHASHI
1
,
Masato YONEDA
1
,
Masahiko INAMORI
1
,
Yasunobu ABE
1
,
Hiroyuki KIRIKOSHI
1
,
Satoru SAITOH
1
,
Hisashi OHSHIRO
2
,
Yosiaki Inayama
2
,
Kenji NOTOHARA
3
,
Atsushi NAKASHIMA
1
1横浜市立大学医学部消化器内科
2横浜市立大学付属病院病理部
3倉敷中央病院病理検査科
1Department of Gastroenterology,School of Medicine,Yokohama City University
2Department of Pathology,Yokohama City University Hospital
3Division of Pathology Kurashiki Central Hospital
キーワード:
自己免疫性胆管炎
,
硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
,
原発性硬化性胆管炎
,
ステロイド治療
Keyword:
自己免疫性胆管炎
,
硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
,
原発性硬化性胆管炎
,
ステロイド治療
pp.611-616
発行日 2006年9月15日
Published Date 2006/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100206
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Autoimmune sclerosing cholangitis(AIC)の1例について,胆管造影所見,生検病理組織所見を検討した.患者は58歳女性,2004年4月に初回入院し,原因不明の硬化性胆管炎としてウルソデオキシコール酸投与が開始された.2005年10月より黄疸が出現し,再入院した.ERCPで肝内胆管は狭細像を呈し,右肝管は閉塞していた.膵内胆管に不整な狭窄を認めたが,膵管に異常を認めなかった.肝生検では門脈域にリンパ球,形質細胞,好中球,組織球からなる炎症細胞浸潤があり,部分的なinterface activityを伴う硬化性胆管炎性変化を認めた.細胆管増生,胆管基底膜の肥厚と浮腫性の変化を認めたが,胆管の消失,破壊像は認めなかった.線維化も軽度であった.以上の画像,病理所見よりAICと診断しステロイド治療を開始した.血液生化学データ,ERCP所見,肝生検所見ともに著明に改善し,現在外来で経過観察中である.AICは原発性硬化性胆管炎(=PSC),自己免疫性膵炎に伴う硬化性胆管炎(=SC with AIP),と画像所見,病理組織所見より区別されるべき疾患群と考えられた.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.